広大な海に浮かぶ巨大な帆船「オブラ・ディン号」。その船は5年の航海の末、無数の謎を残して港に帰還した。乗組員全員の姿はなく、船内には死の影しか漂っていない。一体何が起きたのか?プレイヤーは保険調査官としてオブラ・ディン号に乗り込み、乗員の運命を解明する必要に迫られる。
「Return of the Obra Dinn」は、2018年に発売された、魅力的なパズルアドベンチャーゲームだ。開発は、インディーゲーム開発者であり、「Papers, Please」の開発者としても知られるLucas Pope氏が行った。独特なグラフィックと、骨太な物語で多くのプレイヤーを魅了したこの作品は、数々の賞を受賞している。
モノクロの世界に広がる謎
ゲームの舞台となるのは、19世紀後半のイギリス。プレイヤーは、保険調査官としてオブラ・ディン号に乗り込み、乗員の死亡原因やその時の状況を調査することになる。ゲームの世界観は、レトロな1ビット風グラフィックで表現されている。これは、当時の船舶の記録資料や絵画を参考に作られたとのことだ。
時間を遡り、真実を明らかにする「時見時計」
オブラ・ディン号の乗員たちは皆、謎の死を遂げている。プレイヤーは、特殊なアイテム「時見時計」を用いて、乗員の死亡した瞬間を体験することができる。時計を起動すると、ゲーム画面がモノクロに変わり、その時の状況が再現される。
例えば、甲板上で剣を振りかざす人物や、船倉で怪しい行動をとる人物の姿が浮かび上がることもあるだろう。これらのシーンから、乗員の死因や関係性などを推測していく必要がある。
論理と推理を駆使する調査
「Return of the Obra Dinn」の面白みは、限られた情報から真実を解き明かす、まさに探偵のような作業にある。プレイヤーは、死亡した乗員の情報(名前、年齢、職業など)、そして時見時計で見たシーンをもとに、誰が誰を殺したのか、あるいは事故で亡くなったのかなどを推理していく。
このゲームには、60名以上の乗員が登場する。それぞれが異なる背景や個性を持っているので、彼らの関係性を紐解くことは非常に困難だ。
「Return of the Obra Dinn」の登場人物たち
名前 | 職業 | 詳細 |
---|---|---|
Capitán Edward Percival | 船長 | オブラ・ディン号の船長。経験豊富だが、厳格な性格で乗員から恐れられている。 |
Florence O’Malley | 下級航海士 | 女性乗員であり、船内で唯一の女性航海士。勇敢で機転が利く。 |
この表はほんの一例に過ぎない。ゲームを進めると、新たな情報が明らかになり、乗員のつながりが見えてくる。
緻密な世界観と音楽
「Return of the Obra Dinn」の魅力は、ゲームシステムだけでなく、その世界観や音楽にもある。19世紀の帆船を舞台にした物語は、当時の海運事情や社会情勢などをリアルに反映している。また、ゲーム中のBGMは、静かで幻想的な雰囲気が漂い、プレイヤーをゲームの世界に引き込む効果がある。
まとめ:挑戦する価値のある傑作!
「Return of the Obra Dinn」は、パズル要素と推理要素が絶妙なバランスで融合した、非常に奥深いゲームだ。独特なグラフィックや世界観も魅力的で、一度プレイすれば忘れられない体験ができるだろう。
初心者には少し難しいかもしれないが、挑戦する価値のある傑作であることは間違いなく、「Return of the Obra Dinn」は、ゲーム史に残る名作の一つと言えるだろう。